「経営革新計画」

経営革新計画の取得が、公的資金調達の第一歩となります。

1)中小企業等経営強化法で定義されている4つの「新事業活動」とは

  • ①新商品の開発又は生産
  • ②新役務の開発又は提供
  • ③商品の新たな生産または販売の方式の導入
  • ④役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動

新商品の開発又は生産の例

  • 建設業者が、産業廃棄物である下水汚泥等を甘味料としても知られる植物を用いて処理し、新たに肥料を生産し販売する。
  • 木製品製造業者が、これまで建具の材料として利用が困難とされていた間伐材を、加工するための切削用刃物を開発。更に開発した天然の塗料で仕上げることで。防腐、防カビ効果が高められ、環境と健康にやさしい建具を生産、販売する。

中小企業庁HPより引用

新役務の開発又は提供の例

  • 美容室が高齢者や身体の不自由な方等、自分で美容室に行くことが困難な方のために、設備一式を搭載した車両で美容師が出張し、カットやブロー、ヘアメイクや着付けまでのサービスを行う。
  • 老舗旅館が、空室を日帰り客向けのリラクゼーションルームとして改装し、新しいサービスを行う。昼間の時間帯の増収を図るとともに、新規宿泊客の拡大に結び付ける。

中小企業庁HPより引用

商品の新たな生産または販売の方式の導入の例

  • 果物の小売業者が、本格的なフルーツパーラーを開店。果物店で培われた知識の強みを生かすとともに、フルーツ&ベジタブルマイスターの資格を持つ店員が常駐し、高品質フルーツを使ったスイーツやフレッシュジュース、健康を意識した野菜を取り入れたランチメニューも提供
  • 金属加工業者が、金属熱加工製品の開発に伴う、実験データを蓄積することにより、コンピューターを利用して、熱加工による変化を予測できるシステムを構築する。それにより、実験回数を減らし、新商品開発の迅速化とコスト削減を図る。

中小企業庁HPより引用

役務の新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動の例

  • 不動産会社が、企業の空家となった社員寮を一括借り上げして、それを高齢者向けに改装し、介護サービス、給食サービスを付加して高級賃貸高齢者住宅として賃貸する。
  • タクシー会社が、乗務員に介護ヘルパーや介護福祉士の資格を取得させ、病院や介護施設への送迎などのタクシー利用者を獲得し、高齢者向け移送サービスで介護サービス事業へ進出し多角化を図る。

中小企業庁HPより引用

このような「新たな取り組み」については、多様なものが存在しますが、個々の中小企業者にとって「新たなもの」であれば、既に他者において採用されている技術・方式を活用する場合でも原則として承認対象となります。ただし、

  • 業種毎に同業の中小企業の当該技術等の導入状況
  • 地域制の高いものについては同一地域における同業他社における当該技術等の導入状況

を判断し、それぞれについて既に相当程度普及している技術・方式等の導入については承認対象外となります。

「わが社にはとても『新商品』『新サービス』なんて・・・」と思われるかもしれませんが、小売業・美容院・ガソリンスタンド・運送業といった業種でも承認を獲得していますので、アイデア次第でどんな中小企業者でも習得は可能です。

2)「経営の相当程度の向上」とは

以下の2つの指標が3~5年で相当程度向上することをいいます。

1)①「付加価値額」または②「一人当たりの付加価値額」の伸び率
①「付加価値額」=営業利益+人件費+減価償却額
②「一人当たりの付加価値額」=付加価値額÷従業員数
※①または②のどちらか一方を基準に該当

2)「経常利益」の伸び率
「経常利益」=営業利益-営業外費用
※営業外収益は含まない。

啓江革新計画として承認されるためには、経過期間である3~5年のそれぞれの期間終了時における「伸び率」がポイントとなります。
それぞれの計画期間終了時における経営指標の目標伸び率は次の通りです。

計画終了時 1)「付加価値額」または「一人当たりの付加価値額」の伸び率 2)「経常利益」の伸び率
3年計画の場合 9%以上 3%以上
4年計画の場合 12%以上 4%以上
5年計画の場合 15%以上 5%以上

申請から承認までの流れ

①計画書の作成 ⇒

・要件を満たした計画書を作成します。

②添付書類の提出 ⇒

・都道府県の担当課へ提出します。

③審 査 ⇒

・担当者と面談してヒアリング調査

④承 認

・承認された場合、「承認書」が送られてきます。

広島県の承認件数はどのくらい?

広島県の承認件数
平成27年度:104件 → 平成28年度:182件 → 平成29年度:88件 → 平成30年度:133件と年間100件程度で推移しています。これは東京都や福岡県の1/3程となっています。

 

さまざまなメリットが期待できる「経営革新計画」にチャレンジしてみませんか?

承認件数の多い都道府県に比べると、広島県は承認が取りやすい状況と思われます。

»各種公的支援策活用の可能性が広がる!
»経営方針や具体的な経営目標が「見える可」される!
»取引先や金融機関からの信用力アップが期待できる!

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